世界最古のプラスチック食器?鎌倉で出会ったターコイズブルーの魅力

先日、仕事で神奈川県に出張した際、少し時間を作って鎌倉の街を歩いてみました。
古都ならではの風情が漂う通りをそぞろ歩いていると、小さな骨董品屋が目に留まりました。アンティークやヴィンテージ品が並ぶ店先には、どこか懐かしく温かい空気が流れていました。仕事の合間にこんな寄り道ができるのは、忙しい日々の中でのささやかな癒しでもあります。

その店で、僕は「Imperial Ware」という古いアメリカ製のティーカップとソーサーに出会いました。

透き通るようなターコイズブルーの色合いが、まるで時間を超えて僕を呼び寄せたかのように目に飛び込んできたのです。そのデザインはシンプルながらも上品で、どこか懐かしさを感じさせるものでした。

店主によると、このカップは「世界最古のプラスチック製食器」とも言われているそうです。

本当かどうかはわかりませんが、そんなストーリーを聞いただけで、このカップが持つ魅力がさらに増して感じられました。ファイヤーキングのような有名ブランドではありませんが、その特別な色と佇まいに惹かれて、僕は購入を即決しました。

古いものが持つ「時間」の価値

エコロキアで仕事をしていると、古いものを大切に使うという価値観に触れる機会が多くあります。無垢材のフローリングを研磨し再塗装する「ムクリペ」事業もその一つです。

素材そのものが持つ良さを最大限に活かし、時間を経たことで得られる風合いや魅力を大切にしているのです。

今回購入したImperial Wareのカップも、そんな「古いものが持つ価値」を体現しているように感じました。プラスチック製の食器は、現在ではどこにでもあるような存在ですが、100年以上前の時代においては革新的な技術でした。割れにくく軽量であるという実用性はもちろん、当時のデザインや色彩の美しさが、今でもこうして僕たちの心をつかむのです。

このカップがアメリカでどんな家庭の食卓を彩ってきたのか、どのようにして海を越え、日本にやってきたのかを考えると、その一つひとつが物語のように思えます。使い込まれた証や、時間の経過で生まれた風合いこそが、このカップに「味わい」を与えているのです。

日々の暮らしに、物語を添える

僕はこのティーカップを日常で愛用しています。
コーヒーを注いだときに手に伝わる温かさ、カップ越しに覗くターコイズブルーの色合い。その一つひとつが、僕の毎日を少しだけ特別なものにしてくれています。大切に使い続けることで、このカップにもまた新しい物語が紡がれていくのだと思うと、使うたびに嬉しくなります。

エコロキアの仕事を通じて感じているのは、物の価値は価格や新しさだけではないということです。それがどんな時間を過ごし、どんな手によって使われてきたのか。そうした背景や物語があるからこそ、古いものは新しいものにはない特別な魅力を放つのです。

僕たちの暮らしは、新しいものばかりで満たされがちです。しかし、古いものを見直し、大切に使うことには、それ以上の喜びがあります。一度使い捨てられる運命だったものが、丁寧に扱われ、再び命を吹き込まれる――そんなプロセスには、物を超えた何か温かい心の交流があるように思います。

次の物語を探しに

鎌倉でのこの出会いは、僕にとって小さな発見と学びの瞬間でした。次にどんな場所で、どんな物語を持つものに出会えるのか楽しみです。骨董品やヴィンテージ品は、その場所ごとに異なる歴史と個性を持っています。一期一会の出会いを楽しみながら、自分の暮らしに新しい息吹を吹き込む。そんな喜びをこれからも見つけていきたいと思います。

ターコイズブルーのカップを手にしながら、次はどこに出張で行こうかと考える今日この頃です。あなたも、日常の中で「物語を持つもの」と出会ってみませんか?

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