今回、某工場のショールーム部分に使用するヴィンテージ加工を施した木材のご依頼を頂きました。
先ずはサンプルを作成するにあたり、折角なのでDIYでも簡単に出来る木材のヴィンテージ加工についてご説明致します。
1.準備
用意するものは…
- 2×8材(無塗装の木材)
- グラインダー(なければ傷をつけるもの)
- ワトコオイル(ダークウォルナット色、エボニー色)
- BRIWAX(アンティークブラウン色)

今回は2×8材を用いておりますが、特に樹種は問いません。
ホームセンターで販売されているパイン材の棚やIKEAの椅子など無塗装のものであれば可能です。
2.ダメージ加工

これにダメージを加えていきます。
使用するのはグラインダーですが、傷がつけられるものであればハンマーでもノコギリでも結構です。

コツとしては「なぜこのような傷がついたのか」と云うストーリーを考えること。
例えばこのグラインダーでの傷はプレナーやノコギリの刃が節などに引っ掛かりガガガ…と引きずったようなイメージで、節などの周辺や、材の淵のあたりを中心に傷つけるようにしています。
またビンテージ木材で人気のある「ヒール跡」と云うダメージはその名の通り靴のかかとによる傷なので、硬い靴などで踏んだり叩いたりしてもリアルなダメージを与えることが可能です。
3.傷を強調する

次に塗装をしていきますが、先ずはワトコオイル エボニー色(黒系)をスポンジで傷口に塗装をします。

杢目に沿って塗装をしてください。

結構雑に塗装しても杢目に沿ってさえいれば大丈夫。
先に傷を濃いの色で塗装することにより、印影がはっきりとしてダメージ感がより一層際立ちます。
4.塗装

次に塗装が乾ききる前にワトコオイル ダークウォルナット色を全体に塗布。

こちらも杢目に沿って塗装をすることを心掛けて下さい。

これでかなりヴィンテージ感のある仕上がりになりましたが、ここからはもうひと手間加えることで更にヴィンテージ感アップです。
5.つや出しをする
長年使い込まれた木材は内側から油分が出て光沢を帯びるので、マットな質感よりもむしろ光沢を出した方がヴィンテージ感がアップします。

こちらもホームセンターなどで販売されているBRIWAX(ブライワックス)。
その名も「アンティークブラウン」と今回のヴィンテージ加工に最適。

こちらも適量をスポンジに取り、全体的にムラなく塗布して30分ほど放置。

そしてたわしで力いっぱい擦って、そのあと柔らかい布で磨き上げると完成です。
6.完成

塗装は入手が容易なワトコオイルを用いましたが、オスモやリボス、その他自然塗料ならお好みのものを選んで頂ければOKです。
実際に今回作成したサンプルはワトコオイルの他に乾燥の早いBONAドライファストを使用しました。
こちらの方が色のノリが良くヴィンテージ感50%アップです。
勿論、色も今回はブラックとブラウンを用いましたが、ホワイトとベージュなどでもヴィンテージ感のある仕上がりになりますよ。
さぁこのサンプルが採用されてご発注になるとこれが長さ3mと50本以上作らないといけないので工房のスペースを確保しなくては。